2009年09月19日
さよならが言えなくて・・・☆
こんにちは〜。お元気ですか?親愛なるみなさま☆

昨日、9月18日20時からOAされた、テレ朝系特別企画スペシャルドラマ『さよならがいえなくて〜子供たちにせまるドラックの誘惑、夜回り先生の苦悩〜』
ご覧になりましたか??
http://asahi.co.jp/sayonara/

『夜回り先生』こと水谷修さんと薬物依存症の少女との交流を描いたノンフィクションをベースにしているフィクションのスペシャルドラマですが、主演の水谷先生を演じたのは寺脇康文さん。
監督は『12人の優しい日本人』や『桜の園』で知られる映画監督の中原俊監督。
わがアルファセレクションの俳優陣も夜回り先生の同僚の先生役(田中登志哉)や、夜間高校生徒の紗枝役(今吉祥子)や、近所のおじさん、おばさん、ヤクザの組員たちや最初に少女が幻覚をみて外に逃げ出してぶつかる浮浪者のおじさん(針原滋)や、麻薬取締官たちなど、監督と制作会社のプロデューサーさんのご厚意でたくさん出演させていただきました。

・・・そして、昨夜、終電で帰宅後、お風呂に入ってから膝を正して録画してあったこのドラマを見終わった感想はただひとつ・・・。

『こんな骨のある素晴らしいドラマに俳優としてウチの俳優を参加させてあげられて本当に良かった!!』ということです。感謝します!

ドラマや映画には、見ていて気分がスカッ!とするような笑いのエンターテイメント性が主軸のものや、じんわりほんのり泣いて笑って考えさせられるもの・・・、その他、たくさんの見てくれる視聴者や観客のためのさまざまなジャンルがありますが、このようなドラマを一視聴者として私はもっと見たいし、作りたいし、俳優を参加させていきたいですね。

特にこのドラマは朝日放送が進める『子供未来プロジェクト』の一環で2007年1月にスタートし、自殺、いじめ、虐待など様々な問題について考える番組やイベントなどを行っており、今まで関西ローカルでの展開だったのが、このドラマはプロジェクト関連番組として初めて全国放送されました。

今、芸能界で騒がれている某男性タレントや、先日保釈された後の会見OAが40%以上の視聴率になったタレント夫婦のことに合わせてドラマが出来たわけでもなく、番組中の桜が象徴するように撮影と企画はもっとずーっと前からでしたが、今、世間がこれだけ注目している時期にこのドラマが放送されたのは、きっと、たくさんの人に、特に、子供や子供が身近にいる大人に『薬物の怖さ』を
知ってほしい天の配剤なのでしょう・・・。

本やコミックなどの絵や文章で読むよりも『リアルに見ている人に訴えかけられる』のが生身の人間が演じる映像です。

私は水谷先生の原作も台本も事前に見ていましたが、実際に映像になった時は台本を読んだ時の想像を超えていました。(ただ、実際にこのようなことを体験されている先生本人やかかわった方々のご意見はまた違うだろうな・・・?とは思いますが・・。)

実話なだけに演じる側には嘘のないリアリティがないと見ている人に、そして実在している人に失礼ですし、誠実さが感じられませんが、このドラマは本当にともすればサブストーリーとして取り扱われてしまう『薬物汚染』という問題を、まさに『主題として正面から取り扱った』作品なだけに、現場スタッフ、監督、プロデューサーさんの細心の苦労が結晶していました。

『突き放す』『一度どん底に落ちて本人が本当に自覚しないと“愛情”だけでは救えない』というリアルが、それをなかなか出来ない自分に突き刺さります。

・・・そして、どんな役でも決して、一瞬たりとも手抜きをしないウチの俳優たちにも拍手をします。

麻薬取締り捜査官の役を頂いた、たべひろのぶと杉本絵美の二人は、出演シーンも台詞も少なくとも、撮影本番前に自分たちで桜田門、九段下まで出掛けていって、交渉をして、麻薬取調べの方たちの仕事場を見学させてもらったりお話を聞かせていただいたりしたそうです。

出演者、監督、制作者サイドの全員の努力の結晶としてのこのドラマは今後、見てくださった方の人生に、回りの人の人生に何かしら大小の影響があるドラマだったと思います。

そして、個人でこのような活動を続けてらっしゃる水谷先生には心から敬意と尊敬を捧げます。
どうか身体に気をつけてお元気で・・と、あったこともない水谷先生のことを思うのは私だけではないでしょう。

私たちのような演じること、作品を作ること、撮る事を宿命として生まれてきた者たちの存在意義は、水谷先生とも、イチロー選手とも違う手段で、でも、ソウルは同じ、
『不完全な自分が、自分のやることなすことが自分だけのためでなく、他人ために何かを』であるべきなのでしょうね。

だからこそ、ドラマや映画はどれもこれも古えの昔から『生きる上での葛藤』がテーマになり、俳優は自分の葛藤と役の葛藤を重ねて、見る人の人生の葛藤にある何かを残すためにドラマ全体の生きている人間を演じるのです。

そう考えると、素晴らしい作品に出演することは俳優にとって望外の喜びとなります。

今回はそんなことを改めて実感いたしました。
毎日楽しいことも凹むこともあるけれど、自分は何のために生まれて、何のためにここにいるんだろう??という、根本的な存在意義まで考えるのは毎日毎日ではないからねー。

本当にいい機会だったと思います。すべての巡り合わせ、厚情に感謝!!!

・・・・さあ、今日はこれから、某映画監督の結婚式の披露宴です。。
人生に1回の『主役』になった方をこころから祝福して、幸せのおすそ分けを頂きに参りましょう☆