2008年06月15日
俳優&女優におすすめ映画☆
・・・ここ最近、けっこう所用がたまりきっていて映画は、ウチの俳優が出演させていただいているものを優先順位で見てるから、本当に自分が見たい映画は後回しになって、公開時期を逃してしまうことが多い。

そして、やっと土曜とか、日曜とかに見れた映画の最中に仕事の俳優入り時間だとか、場所だとかの電話がガンガン鳴る・・・(笑)

そんな毎日の中で、今日は、
俳優、女優におススメ、人生を深く考えたい人におススメ映画をひとつ・・。

『シークレット サンシャイン』・・・・現在公開中です。080615_113940.jpg

オアシス』のイ・チャンドン監督が5年ぶりにメガホンを取った映画。息子と地方都市に移り住み悲劇に見舞われるシングルマザー(チョン・ドヨン)と、彼女をそっと見守る不器用な男の魂の救済を描くラブ・ストーリー。チョン・ドヨンはこの作品で、2007年カンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞。共演の『グエムル -漢江の怪物-』のソン・ガンホとともに見事な演技をみせる。愛する者を失う悲しみ、そして淡々と語られる生きるということの不条理が胸に突き刺さる。[もっと詳しく]

・・・私はこの映画紹介の『ラブ・ストーリー』という紹介は、えっ???・・・と疑問ですが・・。見た人はいかかでしょう?ラブ・ストーリーなんて陳腐な言葉で紹介して欲しくない映画です。私個人的には・・・(笑)

ま、それは置いといて、この映画の登場人物たちのイキイキとしたリアリティのある演技、その存在感・・・。内容は好き嫌いがあるとは思うけれど、私は俳優プロダクションの社長として、マネージャーとして、この主演二人のような俳優をみんな目指して欲しいと思う。

俳優は顔、スタイルだけでは成り立たない、結局は演技、役作り、その俳優の人生が一番なのがよく分かる。

特に、ソン・ガンホは色々な映画で常に新鮮な感動を見る人に与えてくれる『天才的俳優』ですが、それが彼の天性の才能のみなのかといえば、決してそうではないだろうと思う。
日々の過ごし方、演技に対するすべてをかけて挑む姿勢が、決して力技ではなく、自然に、役が本当に生きている実感をもって演じられているし、どうしたら、こんなふうな演技、存在感が出る俳優になれるのかは一言では言えないけれど、まず、『彼の演技の本質とは?』という問いかけを持って、彼の出演するすげての作品を繰り返し見ることによって、何かそれぞれつかめるものがあるだろうと思う。

女優陣で言ったら、主演のチョン・ドヨンの芝居。ホントに美人じゃないし、どこのでもいる普通の人を演じているけれど、『ユア・マイ・サンシャイン』でHIVに冒されたヒロインを奔放に、繊細に演じていたり、不倫に溺れる主婦の役でヌードも辞さない体当たり演技とか、17歳の小学生という役柄の『我が心のオルガン』とか、一定のイメージに縛られない『憑依型女優』でもあるのだけれど、決して、役が彼女に憑依してるワケではなく、役作りの苦しみを伴った彼女の確かな演技力が、あまり美人でないがゆえに『俳優が演じているお芝居』だということを見るものに忘れさせてしまう。

この二人を見ていると、美人やイケメンで無いほうが俳優としてはお得!と思ってしまうから不思議です(笑)

今回のこの映画は私は別の意味で見に行ったのだけれど、ウチの俳優サンさちにはぜひ見て欲しい映画ですねー。『ザ・マジックアワー』もよかったけどね(笑)

・・・・今、日本の芸能界の状況だと、大手の事務所にいる俳優さんたちだとか、顔、スタイルが抜群にいいとか、いろいろな売れる要素がまず演技力よりも先に来てる気がするけれど、けれど、それは韓国やアメリカ、ハリウッドでも同じようなモンでしょう。そこから、美人でもイケメンでもなく、ただ『俳優しとての能力』のみで世に出て来ている俳優さんたちも日本でも海外でもたくさんいる。

もちろん、美人でイケメンで、演技力のある俳優もたくさんいるし、入り口はバーターでも、毎日いい現場に入っていれば感性がよければ『俳優としての成長は早い』のでしょう。

だから、本当にこの『俳優しとての仕事に自分の一生涯を賭けるなら、毎日、一瞬たりとも忘れないで、俳優として生きている』ことしかないとしみじみ思うような今回の映画です。

今日はこれから『ハッシュ』の橋口亮介監督の『ぐるりのこと』を見に行きます。これも木村多江さんんとリリー・フランキーさんと、倍賞美津子さんが楽しみだし、ハッシュはよかったからねー。けっこう楽しみです☆