2007年07月01日
詩の世界・・・。
・・<私の回りのマイ・ブーム>

先週、“俳優に必要な感性や表現力の稽古”として、谷川俊太郎の詩を読むという時間をオーディション形式で某映画監督に頂いた。

私も久しぶりに面白かった・・・。

昔、昔、島崎藤村や与謝野晶子、そして“リルケ”“ゲーテ”がとても好きだった文学少女時代を思い出した(笑)
(・・・・ホントなんだよー!!少女時代はロマンチストだったんだからぁぁぁ・・・!
悲しいね・・。どうしてあの頃のままいられないのだろう??)

その某監督タイムから約10日。ウチの俳優の尾関伸嗣の“詩ブーム”が始まった(笑)。

本番が無い時は毎日毎日事務所に顔を出しては、昼ごはん食べてる私の前で、谷川俊太郎の詩を朗読し、ダメ出しをさせ、詩の解釈を語る・・・・。

分かったからぁぁぁ〜。あの・・・、ごはん、食べた気しないんですけどぉぉ・・・・。(笑)

ま、ま、ここが彼のいいところ・・・。凝り性なんだよねー、ホントに・・・☆

いつか役者としての役に立つよ・・と言っていたら、最近、彼が出演する
“月の映画”、名古屋のクロ監督
とシンクロしてた。。これには私もびびりましたー!!

・・・すごい!!クロさんの日記を読んだら“月の映画”のメイン女性のイメージは谷川俊太郎の“かなしみ”だそうだ・・・。この詩は、ウチの俳優の古山慎祐君が朗読の宿題に出されていた(笑)。この詩は私も大好き!!
失った少女時代を思い出し、今は決して手に入らぬ現実を感じてしまう。

“月の映画”での尾関の役は萩原朔太郎の詩がイメージだそうだ・・・・。
うわぁぁ・・・、病的!!・・・・あ、すみません(笑)

私はリルケが好きだった。
・・・なんでだったのかな??

リルケは常に同じようなものを書いていた人ではなく、成長とともに書き方や作風を変革していった人だった記憶がある。

だから、矛盾しているようだけれど、リルケと同じように私も、リルケから離れて新しいものを求めていかなければならなかったのだと思う。


ただひとつ、今でもはっきり覚えてること・・・。それは・・、

Bleiben ist nirgends(停滞はどこにもない)と彼は詠っていた。
万物は変転するのだ。

だから私も、自分が変わることを恐れてはいけないのだろう。

・・・・リルケ“立像の詩”より


自分の尊いいのちをふりすてるほど
私を愛してくれるのは誰だろう?

私のために海におぼれて死ぬものがあれば
私は石から救いだされて
ふたたびいのちへ いのちへ立ち帰ってゆくのだ

私はそんなにも騒ぐ血にあこがれている
石はあまりにも静かだ

私はいのちを夢みる 生きることは楽しいもの

だれひとり私をよみがえらせてくれる
勇気のあるものはいないのか?

それにしても いつか私がもっとも自分に貴重なものを
さずけてくれる生命のなかによみがえるとしたら……
……………………………
私はひとりで泣くだろう

私の石を求めて泣くだろう
私の血が たとえ葡萄のように熟れたとて なんになろう!

その血は私をいちばん愛してくれたものを
海のなかから呼びもどすことはできないのだ ・・